先天性腰椎すべり症の1例
この論文をさがす
抄録
【はじめに】先天性腰椎すべり症(以下,本症)は上位仙椎または第5腰椎の後方要素の先天異常により生じると提唱されている(Wiltseら).今回,我々は本症を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.【症例】11歳女児,主訴は歩行時の姿勢異常であった.神経症状はないが脊柱アライメントの再建を目的に手術を行った(L5/S1 TLIF+L4/5 PLF).slip angleは術前25°→術後11°に改善した.術後,一過性に左L5神経根障害が出現した.歩行時の姿勢異常は改善が得られた.【考察】未熟な脊柱ゆえに手術は躊躇されることもあるが,すべりが高度になるほど手術が困難となり,神経障害などの合併症の危険性も高まる.また,高度な脊柱変形遺残を予防するためにも,自験例のように早期手術に踏み切ることが重要である.手術においてはslip angleの整復による腰仙椎部の後弯矯正が重要である.しかし,過度な矯正はL5神経根障害を来す可能性があり注意が必要である.
収録刊行物
-
- 整形外科と災害外科
-
整形外科と災害外科 63 (1), 87-90, 2014
西日本整形・災害外科学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679919282176
-
- NII論文ID
- 130004461519
-
- ISSN
- 13494333
- 00371033
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可