ベネズエラ産 Onchocerca volvulus のグァテマラ産ブユ 3 種への感染実験

書誌事項

タイトル別名
  • Experimental infections of three Guatemalan blackfly species with north Venezuelan Onchocerca volvulus
  • ベネズエラ産Onchocerca volvulusのグァテマラ産ブユ3種への感染実験〔英文〕
  • ベネズエラサン Onchocerca volvulus ノ グァテマラサン ブ

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抄録

西半球のオンコセルカ症各流行地間のOnchocerca volvulus株の相異を調べる目的で, ベネズエラ北部流行地のO. volvulus保有者をクァテマラのブユ3種(Simulium callidum, S. haematopotum, S. ochraceum)に吸血させ, 仔虫のとりこみ, 胸筋への移行, 感染幼虫への発育等を検討した。仔虫のとりこみは, 3種すべてにみられたが, S. haematopotumとS. ochraceumでは, 咽頭部の歯状突起で傷害をうけほとんどが死亡していた。その結果, これら2種では仔虫の胸筋への移行もきわめて少なかった。第3期幼虫への発育はS. ochraceumではみられなかったが, S. callidumとS. haematopotumではおのおの, 8%と3%のブユに認められた。これらの結果から, ベネズエラ北部のO. volvulusは, 先に報告したS. metallicumと合わせて, グァテマラ産の少なくとも3種のブユ体内で発育することが明らかとなった。また, 同じく先に報告したように, グァテマラのO. volvulusもベネズエラのS. metallicumで第3期幼虫へ発育する。したがって, 従来の考え方に反してグァテマラとベネズエラ両国間では, 本症の臨床像に差が認められるものの, 両国のO. volvulusはブユへの感染能に関してはほとんど差がないものと思われる。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 37 (4), 319-323, 1986

    日本衛生動物学会

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