養鶏場におけるイエバエの殺虫剤抵抗性, とくに抵抗性レベルの年次変化

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タイトル別名
  • Insecticide resistance of housefly, Musca domestica L. (Diptera : Muscidae) in poultries, with special reference to the yearly changes in resistance levels

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抄録

1982年から1998年まで, 青森県八戸市の大養鶏場に発生したイエバエの殺虫剤抵抗性を調査した。1989年に大発生したイエバエはpermethrinに強い抵抗性を示し, LD_<50>値1.0μg/♀, 抵抗性比(R/S)は67倍であった。1993年にはピレスロイド剤の使用が停止され, 1998年にはpermethrinのLD_<50>値は0.22μg/♀まで下がったが, R/Sはなお15倍に保たれていた。有機リン剤に対しても強い抵抗性を示したが, 抵抗性レベルの年次変化はピレスロイド剤ほど大きくなかった。1989年に採集した八戸コロニーを実験室で5世代のpermethrin選抜をくり返したところ, R/Sが140倍に達した。このピレスロイド抵抗性にはkdr遺伝子の存在が示唆される。また, 広島県東城町から採集したイエバエでは, permethrinのLD_<50>値が10.1μg/♀, R/Sが673倍という最強のピレスロイド抵抗性を示した。八戸と広島のイエバエについて, IGR剤のIC_<50>値を感受性系統と比較した結果, ピレスロイド剤や有機リン剤で見られたような大差は認められなかった。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 51 (3), 187-194, 2000-09-15

    日本衛生動物学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (19)*注記

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