晩期妊娠中毒症妊婦の分娩時における脂質代謝に関する実験的研究

  • 宮本 一
    京都大学医学部婦人科学産科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Experimental Studies on Lipid Metabolism during Deliveries of the Cases of Late Pregnant Toxicosis
  • バンキ ニンシン チュウドクショウ ニンプ ノ ブンベンジ ニ オケル シシツ タイシャ ニ カンスル ジッケンテキ ケンキュウ

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説明

分娩時において脂質がいかに利用されるかを窺うべく, 正常妊婦, 中毒症妊婦について母体静脈血, 臍帯静脈血および胎盤絨毛組織中の非エステル型脂酸(NEFA), ケトン体, α-ケトグルタール酸(α-KGA)につき検索した所, 中毒症妊婦は正常妊婦に比べ,<br>1)母体静脈血中NEFA, ケトン体は増量し, α-KGAは逆に減少した.<br>2)胎盤絨毛組織ではNEFA, α-KGAは減少し, ケトン体は増量した.<br>3)臍帯静脈血ではケトン体が増量し, α-KGAは減少し, NEFAでは著差がなかつた. しかも脂質を負荷した際では以上の傾向は一層著明となつた.<br>従つて妊娠中毒症時では分娩時人胎児は特にケトン体に富む環境にあることが推想された.

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