子宮体部癌肉腫におけるパクリタキセル・カルボプラチン療法

書誌事項

タイトル別名
  • An adjuvant combination paclitaxel and carboplatin chemotherapy in uterine carcinosarcomas: two case reports and a review literature of adjuvant chemotherapy
  • 症例報告 子宮体部癌肉腫におけるパクリタキセル・カルボプラチン療法--2症例の臨床経過と術後補助化学療法に関する考察(review literature)
  • ショウレイ ホウコク シキュウタイブガン ニクシュ ニ オケル パクリタキセル カルボプラチン リョウホウ 2 ショウレイ ノ リンショウ ケイカ ト ジュツゴ ホジョ カガク リョウホウ ニ カンスル コウサツ review literature
  • ―2症例の臨床経過と術後補助化学療法に関する考察(review literature)―

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抄録

子宮体癌のなかでは比較的まれで予後が不良とされる癌肉腫を2例経験したので,その臨床経過を検討し,術後補助化学療法についての文献的考察を行った.症例Aは52歳のIIIa期(pT3aN0M0)の同所性癌肉腫で,G1類内膜腺癌と平滑筋肉腫の組織型であった.症例Bは54歳のIb期(pT1bN0M0)の異所性癌肉腫で,G2類内膜腺癌と軟骨肉腫,骨肉腫であった.2例とも準広汎子宮全摘出術,両側付属器摘出術,骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術を行い,術後補助療法としてパクリタキセル・カルボプラチン療法(TC療法:パクリタキセル175mg/m2+カルボプラチン AUC 6)を施行した.IIIa期の症例Aは術後9ヵ月で再発死亡したが,Ib期の症例Bは術後3.5年経過して再発所見がない.2例とも手術による完全摘出例で,残存腫瘍はなかった.術後補助化学療法としてのTC療法は,III期の症例では無効であった.子宮体部癌肉腫に対する補助化学療法として,TC療法が一般的に汎用されている.しかし,TC療法が無効あるいは耐性となった場合のsecond line chemotherapyの確立は,今後の課題である.〔産婦の進歩63(1):11-17,2011(平成23年2月)〕

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