ユスリカ幼虫の過密度要因の分離, 同定

書誌事項

タイトル別名
  • Isolation and identification of the overcrowding factors of Chironomid larvae
  • ユスリカ幼虫の過密度要因の分離,同定〔英文〕
  • ユスリカ ヨウチュウ ノ カミツド ヨウイン ノ ブンリ , ドウテイ エイブン

この論文をさがす

説明

自然界でユスリカの大発生後, 極端に個体数が減少する場合がある。しかし, その原因を個体群密度との関連において調べた報告はない。本研究は, その原因について一つの示唆を与える。すなわち, ユスリカ幼虫を過密度で飼育した場合, 自己世代および次世代の生長抑制, 殺虫物質を水中に産生する。TLCによる分離, IR分光分析の結果, この物質は, 亜硝酸カルシュームである事がわかった。さらに, 既知の亜硝酸塩, 硝酸塩および類縁物質を検定したところ, 亜硝酸アンモン, 水酸化アミンが同程度の毒性を示す事を発見した。これらの亜硝酸塩, 硝酸塩は還元, 分解によって, 窒素ガス, 酸化窒素ガスを出し, 水底生物層に酸素欠乏をきたし, ユスリカ幼虫にメトヘモグロビン症を起させるものと想像される。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 24 (3), 201-206, 1974

    日本衛生動物学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ