妊娠時高血圧発症の成因に関する臨床的ならびに実験的研究

  • 島津 隆
    大阪市立大学大学院医学研究科外科系産科婦人科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Experimental and Clinical Studies of Pregnant Hypertension
  • ニンシンジ コウケツアツ ハッショウ ノ セイイン ニ カンスル リンショウテ

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抄録

妊娠中毒症が初産婦, 双胎, 羊水過多症等に比較的多くみられることから, 子宮壁の状態と子宮腔内容積との間に何らかの因果関係の存在を推定し, その関連を検討してみた結果, (1)妊娠末期に向い子宮内圧は上昇傾向を示し, 血圧も相関し上昇を認めた. (2)子宮筋収縮による内圧上昇は, 胎盤血流量低下と血圧上昇をもたらすが腎皮質血流量への影響は一定の傾向を示さなかった. (3)子宮内圧上昇は子宮壁緊張に対し受動的因子として作用し, 胎盤ならびに腎皮質血流量を減少きせ, 血圧上昇をもたらした. (4)昇圧物質投与実験において子宮内圧上昇とともに胎盤ならびに腎皮質血流量減少をもたらし, 同時に血圧上昇来したが, その効果は羊膜腔内生食水注入(受動的子宮壁緊張)よりもさらに著明であつた.

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