西サモアにおけるフィラリア症およびデング熱媒介蚊の発生源に関する知見

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タイトル別名
  • Breeding habits of vector mosquitoes of filariasis and dengue fever in Western Samoa
  • 西サモアにおけるフィラリア症およびデング熱媒介蚊の発生源に関する知見〔英文〕
  • ニシ サモア ニ オケル フィラリアショウ オヨビ デングネツ バイカイ カ

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抄録

1969年から1971年に至る間, 南太平洋西サモア国において, フィラリア症の媒介蚊(Aedes (Stegomyia) polynesiensis, Ae. (S.) upolensis, Ae. (Finlaya) samoanus)およびデング熱の媒介蚊(Ae. (S.) aegypti)の発生源について, 広範な調査を行なった。Ae. aegyptiは家屋周辺の人工容器から発生し, 樹洞からの発生はきわめてわずかであった。この種は, 内陸部や僻地も含め, 西サモア国の全域で発生が認められた。Ae. polynesiensisは, 人工および自然容器の両方に発生が認められるが, 後者をより好むようである。カニの穴にはもっぱらこの種だけが生息する。上述の両種は, 同一の発生源に共存することが多く, したがって, いわゆる"一発生源一匹採集法"による調査では, どちらの種も分布を過少評価するおそれがある。Ae. upolensisは森林の蚊であり, その幼虫は樹洞から1度採集されたにすぎない。Freycinetiaの葉鞘からは, Ae. samoanusのみが発生し, タロとパインアップルの葉鞘からは, Ae. oceanicusのみが発生する。この両種は, また, Pandanusの葉鞘からも発生するが, Ae. tutuilaeは, Pandanusの葉鞘が唯一の発生源である。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 29 (4), 279-286, 1978

    日本衛生動物学会

被引用文献 (1)*注記

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