書誌事項
- タイトル別名
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- Uterine carcinosarcomas; A clinicopathological study of four cases and importance of lung metastasis.
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説明
当院で経験した子宮体部癌肉腫4例の臨床病理的特徴を明らかにするために後方視的に検討した. 最近10年間に扱った子宮体癌症例は95例で, うち4例(4.2%)が癌肉腫であった. 患者の年齢は60, 66, 69および75歳で, 平均年齢67.5歳であった. 主訴は全例不正性器出血であった. 既往歴では乳癌, 糖尿病をそれぞれ1例ずつ認めた. 術前の体部細胞診では3例が陽性で, うち2例が類内膜腺癌, 1例が内膜間質肉腫であった. 一方, 術前の内膜生検診断は内膜間質肉腫が2例, 類内膜腺癌と癌肉腫がそれぞれ1例であった. また全例に手術が施行され, 3例には術後追加療法として化学療法, 放射線治療, 両者併用がそれぞれ施行された. 腺癌部の分化度は高, 中, 低分化型が各1例, 2例, 1例であった. 進行期はI期2例, III期2例で, 転帰は腺癌部が中分化型であった進行期Ib期の1例のみが4年生存しているが, あとの3例は追加治療にもかかわらず肺転移が出現した. その後の治療にわずかに反応したものの結局, 術後10ヵ月, 1年4ヵ月, 2年5ヵ月で死亡した. 子宮体部癌肉腫では文献的記録は少ないものの肺転移はまれではないと考えられ, 初回治療後の経過観察においては胸部X線撮影などによる検索が重要と思われる.
収録刊行物
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- 産婦人科の進歩
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産婦人科の進歩 53 (2), 115-119, 2001
近畿産科婦人科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679923524480
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- NII論文ID
- 130001223796
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- ISSN
- 13476742
- 03708446
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可