メチオニンおよびその代謝産物の処理によるマウスの蚊に対する吸血誘引性の増大

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  • 池庄司 敏明
    Department of Parasitology the Institute for Infectious Diseases, the University of Tokyo

書誌事項

タイトル別名
  • Enhancement of the attractiveness of mice as mosquito bait by injection of methionine and its metabolites
  • メチオニンおよびその代謝産物の処理によるマウスの蚊に対する吸血誘引性の増大〔英文〕
  • メチオニン オヨビ ソノ タイシャ サンブツ ノ ショリ ニ ヨル マウス ノ カ ニ タイスル キュウケツ ユウインセイ ノ ゾウダイ エイブン

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説明

各種アミノ酸をマウス体表にぬつて, 蚊の吸血誘引性を調べた結果, メチオニンが最も誘引性を高める事は, すでに報告した.本実験で更に, 3.4ミクロモルのメチオニンをマウス腹腔内に注射した所, 1.5日後にその誘引性が最大に達する事を発見した.所が, 血清中には, 著しいメチオニンの増加はみとめられず, 又, エチオニンを同時に注射して, メチオニンの代謝を阻止した所, 誘引性の増加が相殺された所から, メチオニンその物でなく, その代謝産物が関係している事がわかつた.更に, 種々の代謝産物を注射又は, 血清に附加する事によつて調らべた結果, グリシンが著しく誘引性を増加させ, システィン及び更にその代謝産物であるピルビン酸が, ある程度有効であつた.しかし, 血清中に, これらアミノ酸の増加がみとめられない事から, 更にこれらの低分子代謝産物が関連している事が予想された.アミノ酸の分析結果から血清中のタウリン, 尿素の含量が, よく誘引性の増大と時間的によく一致していたがマウスの誘引性増大には殆んど関係しなかつた.

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 18 (2-3), 101-107, 1967

    日本衛生動物学会

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