日本産アカイエカ・グループの研究 第 II 部 III : チカイエカ (Culex pipiens molestus Forskal, Diptera, Culicidae) 第 4 令幼虫呼吸管比の淘汰実験

書誌事項

タイトル別名
  • On the Culex pipiens group in Japan Part II III : Selection experiment for the siphonal index of the fourth instar larvae of Culex pipiens molestus Forskal (Diptera, Culicidae)
  • 日本産アカイエカ・グループの研究-2の3-チカイエカ(Culex pipiens molestus Forskal,Diptera,Culicidae)第4令幼虫呼吸管比の淘汰実験
  • ニホンサン アカイエカ グループ ノ ケンキュウ 2 ノ 3 チカイエカ Culex pipiens molestus Forskal , Diptera , Culicidae ダイ4レイ ヨウチュウ コキュウカンヒ ノ トウタ ジッケン

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抄録

仙台産チカイエカを一定条件下で飼育し, 同胞集団を単位として呼吸管比を増大させる方向に淘汰を繰り返し, 呼吸管長, 呼吸管幅, 呼吸管比, 呼吸管毛束数に関して変動を調べた.1) 親として用いた同胞集団の呼吸管長の最大平均値は1.3637mm(SE=0.0112mm)で, このような親の子の集団の平均値は, 親の値と有意差がないか, 有意的に小さい.2) 呼吸管幅については最大の平均値をもつ集団について淘汰が行なわれなかつたので不明である.3) 呼吸管比については4.3-4.5を平均値とする親の子の集団の平均値は, 親の値と有意差がないか, 有意的に小さい.4) 呼吸管毛束数については, この実験では淘汰圧が加えられていないが, 平均値は8.04から9.00の間で変動した.この場合変動の方向性は明らかでない.したがつて, 呼吸管毛束数と呼吸管比との相関関係は低いかないものと思われる.4) 呼吸管比が大きい値をもつ世代における1卵塊当りの幼虫数は少ない傾向がみられた.このような生存率の低下は, 呼吸管比を増大させる淘汰過程に随伴して起きたものと考えられる.

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 20 (3), 177-185, 1969

    日本衛生動物学会

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