腹腔内に迷入した子宮内避妊具を腹腔鏡下に摘出した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of laparoscopic removal of intrauterine contraceptive device perforated to the intraabdominal cavity
  • 症例報告 腹腔内に迷入した子宮内避妊具を腹腔鏡下に摘出した1例
  • ショウレイ ホウコク フクコウ ナイ ニ メイニュウシタ シキュウ ナイ ヒニング オ フククウキョウ カ ニ テキシュツ シタ 1レイ

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説明

<p>子宮内避妊具(IUD)は,可逆的で有効な避妊法として普及している.わが国においては近年,レボノルゲストレル放出型子宮内システム(LNG-IUS)の使用が,月経困難症および月経過多に対し保険適応となったことに伴い,今後使用頻度が増加していくことも考えられる.一方で,子宮外への迷入,他臓器損傷等の重大な合併症も起こりうるため,慎重な取り扱いが必要である.今回,われわれはIUDが子宮を穿孔し腹腔内に迷入したため,これを腹腔鏡下に摘出した1例を経験した.症例は41歳の3回経産婦で,第3子出産後3カ月の時点で前医にて銅付加IUDを挿入された.2年後に定期検診目的で受診時に,超音波検査で子宮内にIUDを認めず,腹部単純X線検査にて左腸骨窩付近にIUDがみられたことから腹腔内への迷入を疑われ,当科へ紹介受診となった.当科での超音波検査,腹部単純X線検査,腹部CT検査の結果からIUDの腹腔内への迷入と診断した.注腸X線造影検査,大腸内視鏡検査で腸管穿孔の可能性は低いことを確認し,腹腔鏡下手術でIUDを摘出した.IUD挿入の合併症を防ぐには,症例ごとの適切なリスク評価,挿入時期の考慮,挿入後の定期検診の確実な実施と,子宮外への迷入時の正確な診断などを心がける必要がある.〔産婦の進歩69(3):277-281,2017(平成29年8月)〕</p>

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