植食性小型動物プランクトン群集に及ぼす藻類密度とケンミジンコの捕食の複合影響

  • 永田 貴丸
    滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
  • 花里 孝幸
    信州大学山岳科学総合研究所山地水環境教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Combined Impacts of Algal Density and Copepod Predation on the Community of Small-Sized Zooplankton
公開日
2017
DOI
  • 10.2521/jswtb.53.119
公開者
日本水処理生物学会

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説明

本研究では、植食性の小型動物プランクトン群集に及ぼす藻類密度とケンミジンコの捕食の複合影響をメソコスム実験で評価した。実験の結果、藻類密度が低い場合には、小型動物プランクトンはケンミジンコの捕食影響を強く受けた。一方、藻類密度が高い場合には、ケンミジンコの捕食の有無にかかわらず、小型動物プランクトンのうち、特にワムシ類は高密度になった。これは、餌が十分にあったため、ワムシ類の増殖率が高まり、その高い増殖率でケンミジンコの捕食による個体群損失を補えた結果と考えられた。また、ワムシ類と餌の競合関係にあるミジンコ類が、ケンミジンコの捕食によって優先的に抑制されたことも、ワムシ類にとっては好適に作用したと考えられた。本研究は、富栄養湖における小型動物プランクトンの群集構造の決定には、餌藻類量だけでなく、群集内の生物間相互作用(捕食と競争)が大きく関与することを明らかにした。本結果は、動物プランクトン群集内におけるワムシ類への他生物の干渉を抑え、水処理システム等でワムシ類の摂餌能力を効率的に活かすための重要な情報となるだろう。

収録刊行物

参考文献 (20)*注記

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