アレルギー性鼻炎(atopic, extrinsic allergy)と血管運動性鼻炎(non-atopic, intrinsic allergy)の簡単な鑑別法 : 抗ヒトIgEウサギ血清の鼻反応

  • 奥田 稔
    和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 金 善坤
    和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 関根 啓一
    和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 打越 進
    和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • A Simple Clinical Test for Distinguishing Atopic Nasal Allergy from Non-Atopic One
  • アレルギー性鼻炎(atopic,extrinsic allergy)と血管運動性鼻炎(non-atopic,intrinsic allergy)の簡単な鑑別法 抗ヒトIgEヒトウサギ血清の鼻反応
  • アレルギーセイ ビエン atopic , extrinsic allergy ト ケッカン ウンドウセイ ビエン non-atopic , intrinsic allergy ノ カンタン ナ カンベツホウ コウヒト IgE ヒトウサギ ケッセイ ノ ハナ ハンノウ
  • アレルギーセイ ビエン atopic , extrinsic allergy ト ケッカン ウンドウセイ ビエン non-atopic , intrinsic allergy ノ カンタン ナ カンベツホウ コウヒト IgE ウサギ ケッセイ ノ ハナ ハンノウ

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説明

1.抗ヒトIgEウサギ血清(抗IgE)1000倍液を鼻粘膜に付着する鼻アレルギー様症状をおこす.この反応は抗原による皮内, 誘発反応陽性のアレルギー性鼻炎患者に高率に陽性で, 血管運動性鼻炎には低率である.血管運動性鼻炎でも好酸球増多のある例には陽性が多く, 鼻アレルギー症状のない正常者はすべて陰性である.また抗ヒトIgEウサギ血清ではこの反応はおこらない.このことから抗ヒトIgEによる鼻粘膜反応でいわゆるatopicとnon-atopicの鑑別が可能であり, いままでnon-atopic(血管運動性鼻炎)といわれていた例の中にも, atopicで抗原不明の例が入つていると推定された.2.この反応は抗IgEの濃度をますと強くなる傾向があつた.また抗原抽出物の鼻反応とやや異り, 水性鼻漏の出現がいちじるしかつた.また抗原による減感作療法で短期間内に反応が減弱していつた.抗IgEによる鼻反応はIgEと抗IgEのreversed type allergyと考えられたが, 鼻アレルギーの発症機序, 減感作療法の奏効機序の研究に有用と考えられた.3.鼻粘膜反応は抗IgEによる皮内反応と関係がなく, 鼻粘膜と皮内では抗体量が平行しないのではないかと想像された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 20 (6), 419-423,488, 1971

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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