Carbamazepine "Tegretol" による薬疹(紅皮症型)の臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • The Clinical Investigation of the Drug Eruption (Erythroderma type) Caused by Carbamazepine "Tegretol".
  • Carbamazepine Tegretol ニ ヨル ヤクシン ベニ ヒショウガタ ノ リンショウテキ ケントウ

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説明

最近相次いで経験した, carbamazepine により紅皮症の型を呈した薬疹の3例についてその概要を説明し, またそれらの臨床的検討から発症にアレルギー機序を想定した.なお反応に与る特異基は, 少なくとも dibenzoazepin 核とその核内のNに接続する側鎖のCまでが該当するものと考えた.文献上類似例の報告は少なく, また原因薬に対する検索は全く行われていない.したがって, これら検索の必要性と貼付試験あるいは skin window technique により危惧される危険もなく, 簡単にしかも確実に判定し得ることを述べた.なお症例はすべて50才以上の男性で, 皮疹発生には1日量の多寡にあまり関係なく12g以上, 30日以上の連日投与を要した.さらに紅皮症の像を呈するまでには2週間前後を要し, 総投与量は19.6gより32gに及んだ.治療は主に外用療法としたが治癒までに最長8週を要した.末梢血好酸球は皮疹の消長に応ずる増減を示したが, その他の検査では特異的な変化はなかった, 内服試験, 貼付試験, skin window technique を行い得たものはいずれに対しても陽性反応を示した.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 23 (4), 295-303,331-33, 1974

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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