同種細胞親和性抗体の動員による Late Asthmatic Response の発現

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • LATE ASTHMATIC RESPONSE BY RECRUITMENT OF HOMOCYTOTROPIC ANTIBODY FROM CIRCULATING BLOOD TO THE AIRWAY WALL IN GUINEA PIG

この論文をさがす

抄録

これまで遅発型喘息の動物実験モデルの報告は数多いが, それらはほとんどが能動感作モデルであり, 一般に受動感作では遅発型気道反応は起こしえないと理解されている. また遅発型気道反応の発現のメカニズムは気道の過敏性, 気道の炎症, 種々のケミカルメディエーターとの関連で論じられることが多いが, 遅発相における気道収縮の直接の引き金は明らかではない. 今回我々は能動感作モデルにおいて本来抗体産生細胞により産生され, 流血中に存在するはずの抗体を外来性に静脈内投与することにより, 抗原吸入から4〜8時間後に起こる気道収縮を観察した. この際気管支肺胞洗浄液においては正常血清を静脈内投与した群に比しマクロファージが有意に低下し, 好中球が有意に増加していた. このことは本実験モデルにおける遅発型気道収縮には気道の炎症は必ずしも必要ではなくむしろ炎症は気道における抗原抗体反応の結果である可能性, また同種細胞親和性抗体の血中から気道局所への動員が遅発型の気道収縮の直接の引き金として重要な役割を果たしている可能性を示唆する.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 40 (1), 82-86, 1991

    一般社団法人 日本アレルギー学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ