シクロスポリンAにより, 感染を契機とした急性増悪を回避できたと思われる特発性間質性肺炎の1症例

書誌事項

タイトル別名
  • SUCCESSFUL THERAPY OF CYCLOSPORIN A IN A CASE WITH IDIOPATHIC INTERSTITIAL PNEUMONIA
  • 臨床報告 シクロスポリンAにより,感染を契機とした急性増悪を回避できたと思われる特発性間質性肺炎の1症例
  • リンショウ ホウコク シクロスポリン A ニ ヨリ,カンセン オ ケイキ ト シタ キュウセイ ゾウアク オ カイヒ デキタ ト オモワレル トクハツセイ カンシツセイ ハイエン ノ 1 ショウレイ

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抄録

症例は71歳女性.乾性咳嗽,労作時呼吸困難を主訴に当院受診.血液検査では,炎症所見とLDHの上昇がみられたが,抗核抗体,Jo-1抗体は陰性.胸部CTでは,胸膜直下域を主体とする非区域性の肺野濃度上昇と線状網状陰影がみられ,Gaシンチでは両肺に高度の取り込みがみられた.TBLBでは,胞隔の肥厚とリンパ球浸潤,腫大したII型肺胞上皮がみられた.以上より,特発性間質性肺炎と診断 (CT上,NSIPの可能性が高い).プレドニゾロン (PSL) とシクロスポリンA (CsA)の併用療法を試みた.1カ月後,症状,検査所見ともに改善.PSLは漸減していった.しかし,経過中に気道感染を契機として間質性肺炎が増悪.CsAの継続で,高度の急性増悪は回避できた.現在は,CsAの投与のみで,臨床所見,検査所見ともにさらなる改善がみられている.CsAは,原因不明の間質性肺炎にも有効である可能性が示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 50 (4), 399-406, 2001

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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