気管支喘息合併全身麻酔症例の周術期発作に関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • A SURVEY OF PERIOPERATIVE ASTHMATIC ATTACK AMONG PATIENTS WITH BRONCHIAL ASTHMA UNDERWENT GENERAL ANESTHESIA
  • キカンシ ゼンソク ガッペイ ゼンシン マスイ ショウレイ ノ シュウジュツキ ホッサ ニ カンスル ケントウ

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抄録

【目的】気管支喘息患者の全身麻酔手術に伴う発作リスクと,前処置の有用性について検討した.【方法】2006年1月から2007年10月の21ヵ月間に当院で経験した気管支喘息合併全身麻酔症例111例につき診療録及び麻酔記録から検討を行った.【結果】周術期喘息発作率は前処置なし群10.2%(5/49例),全身ステロイド以外の前処置群7.5%(3/40例),全身ステロイド前処置群4.5%(1/22例)であった.術前喘息重症度,術前の最終発作からの期間と周術期発作率に有意な関連は見られなかった.統計的有意差は認めなかったが耳鼻咽喉科・口腔外科手術に発作頻度の絶対値が高く,特に鼻茸合併例は全例に発作が生じた.【考察】術前全身ステロイド投与は周術期発作予防効果が期待でき,全例で使用検討が勧められる.特に6ヵ月以内のステロイド全身投与例や,鼻茸合併を含む耳鼻咽喉科・口腔外科手術などは周術期喘息発作のリスクがあり,術前の全身ステロイド投与が強く勧められる.また発作誘因となる薬剤を避けた麻酔計画が重要である.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 59 (7), 831-838, 2010

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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