小児アトピー性皮膚炎の顔面病変の治療

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タイトル別名
  • TREATMENT OF FACIAL LESION IN INFANTILE AND CHILDHOOD ATOPIC DERMATITIS
  • ショウニ アトピーセイ ヒフエン ノ ガンメン ビョウヘン ノ チリョウ

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抄録

【背景と目的】日常診療において,小児アトピー性皮膚炎は成人の場合とは異なる配慮が必要であり,中でも顔面の皮疹に対しては治療に難渋することも多い.小児アトピー性皮膚炎の顔面の皮疹における悪化因子とその対処について実際の治療例をもとに考察した.【方法】当院にて経験した小児アトピー性皮膚炎における難治性の顔面病変のうち6症例について検討した.【結果】小児においては眼囲,口囲への外用の難しさ,ヨダレ・こすれなどの物理的刺激を除去することの難しさから治癒・寛解が遷延することが多々あり,さらに伝染性膿痂疹などの感染症を併発した場合には,アトピー性皮膚炎そのものの病勢が感染症治療の妨げになってしまうことも多かった.また,小児の診療では親の協力が必須であり,ステロイド外用の受け入れを含め,親が治療方針を十分に納得し,実践の仕方を十分に理解していることが重要であった.【結論】小児のアトピー性皮膚炎における顔面病変の悪化因子としては外的刺激の多さ,外用量不足,親の不安,感染のコントロール不良が挙げられ,それらを考慮した治療が必要である.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 61 (2), 204-214, 2012

    一般社団法人 日本アレルギー学会

参考文献 (5)*注記

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