エビアレルギーにおける70kDa蛋白の新規アレルゲンとしての可能性について

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タイトル別名
  • IDENTIFICATION OF 70kDa SHRIMP PROTEIN AS A POSSIBLE NEW ALLERGEN FOR SHRIMP ALLERGY
  • エビアレルギー ニ オケル 70kDa タンパク ノ シンキ アレルゲン ト シテ ノ カノウセイ ニ ツイテ

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抄録

【背景】本邦におけるエビアレルギー多数例による原因アレルゲンコンポーネントの検討は未だ行われていない.【対象】2004年1月から2011年8月までの7年半に経験したエビアレルギー31例を対象とした.エビ摂取時の臨床症状とエビasisを用いたプリックテストの陽性反応によりエビアレルギーの診断確定とした.【方法】この31例の血清を用いて,ImmunoCAP^[○!R]により,旧エビ特異IgE(2012年6月以前のエビImmunoCAP^[○!R],改良エビ特異IgE(2012年7月以降のエビImmunoCAP^[○!R]),エビトロポミオシン特異IgEを測定した.また,エビ水溶性画分および不溶性画分についてウェスタンブロットを行った.【結果】31例の特異IgEの検出率(クラス1以上)は,旧エビ58.1%,改良エビ66.7%,トロポミオシン29.0%であった.陽性率(クラス2以上)は,旧エビ54.8%,改良エビ55.0%,トロポミオシン19.4%であった.病型別の検出率では,FDEIA(5例)で,旧エビ20%,改良エビ40%で,トロポミオシン0%,即時型アレルギー(19例)で,旧エビ68.4%,改良エビ66.7%で,トロポミオシン36.8%,OAS例(7例)では,旧エビ57.1%,改良エビ85.7%で,トロポミオシン28.5%であった.31例のウェスタンブロットではトロポミオシンを示す35kDaのバンドがみられたのは少数の症例に限られたが,70kDa領域のバンドが30症例で検出された.【結語】旧エビおよび改良エビImmunoCAP^[○!R]の検出率はともに低く,これらのアレルゲンに含まれない新規70kDaの蛋白がエビアレルギーの重要なコンポーネントアレルゲンである可能性がある.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 62 (8), 960-967, 2013

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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