歯科診療所を対象としたフッ化物局所塗布に関する質問紙調査結果(1)

  • 荒川 浩久
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座
  • 大澤 多恵子
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座
  • 中向井 政子
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座 神奈川歯科大学短期大学部歯科衛生学科
  • 石田 直子
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座 神奈川歯科大学短期大学部歯科衛生学科
  • 石黒 梓
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座 鶴見大学短期大学部歯科衛生科
  • 宋 文群
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座
  • 川村 和章
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座
  • 眞木 吉信
    東京歯科大学社会歯科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Results of a Questionnaire Survey on Professional Topical Fluoride Application for Dental Clinics (1)
  • シカ シンリョウジョ オ タイショウ ト シタ フッカブツ キョクショ トフ ニ カンスル シツモンシ チョウサ ケッカ(1)

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抄録

 歯科診療所におけるフッ化物局所塗布に関する質問紙調査を実施した.調査対象である191人中44人から回答が得られた(回収率23%).<br> フッ化物局所塗布を小児に実施しているのは81.8%,成人および高齢者は45.5%であった.使用している塗布剤の中に,生産中止から3年以上経過しているものやフッ化物配合歯磨剤があった.フッ化物局所塗布の診療費の請求は「しない」が69.4%で最も多く,「自由診療として請求する」が36.1%,「う蝕多発傾向者として保険で請求する」が22.2%,「C選療として請求する」が5.6%であった.<br> フッ化物局所塗布のカルテへの記載について「診療費の請求はしない(無料サービス)ので記載しない」が22.2%あったが,医療行為であるため,カルテにその内容を記載することは必須である.う蝕多発傾向者の基準値を「妥当な数値」とする者が57.1%で最も多かったが,保険で請求している者や,C選療を利用している者は,基準値が高すぎるとする回答が多かった.基準値は平成18年から変更されていないため,基準値に該当する患者自体が少なくなり,本保険制度を利用しづらくしているものと思われる.今後,う蝕予防の推進のためにフッ化物局所塗布を活用するには,う蝕多発傾向者の基準を低めることが必要である.

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