福岡県内12歳児一人平均う蝕経験歯数の地域差と社会経済状態との関連

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タイトル別名
  • Association of Regional Inequality in 12-year-olds’ Decayed, Missing, or Filled Permanent Teeth in Fukuoka Prefecture with Community-level Socioeconomic Status
  • フクオカ ケンナイ 12サイジ ヒトリ ヘイキンウショクケイケン ハスウ ノ チイキサ ト シャカイ ケイザイ ジョウタイ ト ノ カンレン

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抄録

<p> 日本における児童う蝕の有病状況は改善傾向にあるものの,いまだにその有病者率は他の疾患に比べて高い.近年では所得などの社会経済状態を背景にう蝕の有病状況に地域格差が存在することが知られている.しかし,児童を対象に市町村・行政区単位でう蝕の地域格差の実態と地域の社会経済状態との関連について調査した報告は少ない.そこで本研究は,福岡県内の12歳児う蝕の有病状況が各市町村・行政区の社会経済状態によって異なるかを検討した.う蝕の有病状況の指標として平成26年度福岡県学校歯科健康診断の集計結果から,12歳児DMFT 指数(一人平均う蝕経験歯数)を得た.各市町村・行政区の社会経済指標については,第三次産業就業者割合,失業率,人口10万人当たり小売店数,人口10万当たり歯科診療所数,可住地面積当たり人口密度,高齢化率を国家統計から市町村・行政区別に収集した.福岡県内60市町村・行政区の12歳児DMFT指数を目的変数,市町村・行政区ごとの各社会経済指標を説明変数に重回帰分析を行った結果,歯科診療所が多く(p=0.044),第三次産業就業者割合が高く(p=0.007),小売店数が少ない市町村・行政区ほど(p=0.010),12歳児DMFT指数は有意に低かった.本研究より,福岡県内各市町村・行政区単位での12歳児DMFT指数の地域格差とそれに関連する社会経済指標が明らかになった.健康格差縮小のためには,各地域の社会経済状態の実状を考慮した地域社会全体での取り組みが必要と思われる.</p>

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