3~5歳のう蝕有病状況とう蝕関連要因に関する横断研究

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タイトル別名
  • Caries Prevalence and Caries Risk Factors in Children Aged 3 to 5 Years: Cross-Sectional Study
  • 3~5サイノウ ショクユウビョウ ジョウキョウトウ ショクカンレン ヨウイン ニ カンスル オウダン ケンキュウ

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抄録

 本研究は3歳以降の幼児の乳歯う蝕有病状況を調査すること,ならびに年齢ごとの乳歯う蝕関連要因を明らかにすることを目的とする.福岡県内8つの保育所・幼稚園に通う3歳児以上の各園児を対象として定期歯科健康診断によるう蝕有病状況の把握とその保護者へのう蝕関連要因に関する質問紙調査を実施し,データが揃った775名(3歳児161名,4歳児288名,5歳児326名)を解析対象とした.年齢間のう蝕有病状況を比較したところ,df歯数が少ない者の割合は近似していたが乳歯う蝕有病者率,dft-indexはともに年齢が上がるほど高かった.乳歯う蝕の有無を目的変数とするロジスティック回帰分析を年齢別に解析モデルを設定して行った.各モデルに共通して選択されたう蝕関連要因は1歳6か月以降の断乳完了と,年2回以上の定期歯科健診であった.年齢によって異なって選択された要因は,3歳児が祖父母との同居,哺乳ビンでのジュースの飲用,男児,4歳児が1日2回以上の甘味食品摂取,週4回以下の仕上げ磨きの実施,5歳児が子どもの手の届くところに甘味食品がある,出生順が第二子以降であった.甘味食品摂取に関連する要因は設問項目が異なるものの,いずれの年齢においても選択されていた.本研究結果から,3〜5歳の乳歯う蝕予防はう蝕がない者をそのままに保つこと,う蝕経験者のdf歯数の増加を抑制することの2つの視点から行い,その際には甘味食品摂取の影響を考慮する必要性が示唆された.

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参考文献 (19)*注記

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