日本国内における花崗岩地質の分布と水道水中フッ化物イオン濃度の関係

  • 晴佐久 悟
    NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(NPO日F会議):福岡歯科大学社会医歯学部門口腔保健学講座口腔健康科学分野
  • 相田 潤
    NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(NPO日F会議):東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野
  • 大石 憲一
    NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(NPO日F会議):デンタルクリニック東陽台
  • 大石 恵美子
    デンタルクリニック東陽台
  • 田浦 勝彦
    NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(NPO日F会議):東北大学病院口腔育成系診療科予防歯科
  • 筒井 昭仁
    NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(NPO日F会議):福岡歯科大学社会医歯学部門口腔保健学講座口腔健康科学分野
  • 黒瀬 真由美
    NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(NPO日F会議):PMJ歯科診療所
  • 境 脩
    NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(NPO日F会議)

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between the Granitoid Distribution and Fluoride Level in Drinking Water
  • ニホン コクナイ ニ オケル カコウガン チシツ ノ ブンプ ト スイドウ スイチュウ フッカブツ イオン ノウド ノ カンケイ

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説明

花崗岩類には他の岩石よりも高濃度のフッ化物が含まれており,花崗岩が水道水中のフッ化物イオン濃度に影響を及ぼす可能性がある.過去の研究では,水道水フッ化物イオン濃度が0.3mg/L以上で齲蝕予防に貢献するとの報告がある.著者らは,齲蝕予防の観点から,フッ化物イオン濃度が0.3mg/L以上の水道水を供給する浄水場(以下0.3mg/L以上群)の分布について調査した.その結果,0.3mg/L以上群の浄水場は全国で94施設であり,全体浄水場数の1.7%であった.0.3mg/L以上群の浄水施設数の多い県は,順に,愛媛県,広島県,兵庫県など花崗岩の分布同様に西日本に集中していた.次に0.3mg/L以上群と比較するために,0.3mg/L以上群を有する25府県において,0.3mg/L未満である浄水場100施設を無作為に抽出した(以下0.3mg/L未満群).0.3mg/L以上群,未満群を花崗岩分布図にプロットし,それらの浄水場の分布と花崗岩との位置関係を調査した結果,0.3mg/L以上群の約96%の浄水場が花崗岩の分布上に位置した.その割合は0.3mg/L未満群の26.0%より有意に高かった.以上の結果から,日本ではフッ化物イオン濃度が0.3mg/L以上の水道水を供給している浄水場が花崗岩分布同様に西日本に偏在しており,花崗岩中の高濃度のフッ化物が水道水中のフッ化物イオン濃度に影響を及ぼしている可能性が示唆された.

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参考文献 (20)*注記

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