思春期における顎関節自覚症状の有無と「あごの健康診断チャート」の結果の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Factors Influencing Temporomandibular Disorder Awareness Based on the “Health Chart for the Temporomandibular Joint” in Adolescence
  • シシュンキ ニ オケル ガク カンセツ ジカク ショウジョウ ノ ウム ト 「 アゴ ノ ケンコウ シンダン チャート 」 ノ ケッカ ノ ケントウ

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説明

<p> 私たちの研究グループは,「あごの健康診断チャート」(以下,チャート)を学校歯科保健活動に利用し,平成20年度からは改訂四版を用いている.本研究は具体的な保健指導に結びつけるため,このチャートを使用し,顎関節の自覚症状の有無による相違を明らかにすることが目的である.調査期間は平成20年度から平成26年度であり,対象はストレスが大きくなり自覚症状が現れやすいことを考慮し,思春期にある埼玉県下の公立中学校3年生とした.分析対象者は,391名(男子208名,女子183名)であった.顎関節の自覚症状の有無でグループ分けし,チャートに記載しているう蝕・咬合異常,生活習慣,ストレスの各要因,および要因数,体と心の状態をvisual analog scaleポイント(以下,VASポイント)を用いて検討を行った.その結果,顎関節の自覚症状を有する生徒は,生活習慣に関する要因が有意に多かった(p<0.05).また,自覚症状を有する生徒と症状を有さない生徒では要因数に統計学的有意差を認めた(p<0.01).体と心の状態のVASポイントは,相関検定で有意性を認めた.自覚症状の有無でVASポイントの平均を比較すると,自覚症状を有する生徒の体の状態の平均VASポイントは有意に低くなった(p<0.05).中学3年生の顎関節の自覚症状は生活習慣との関連性が考えられ,顎関節症の発生要因と考えられる要因数にも影響を受け,また自覚症状を有している生徒は体と心の関連性が弱い可能性も推察された.</p>

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