小学生のブラッシングと心理学的要因との関連性 : ブラッシングに関する行動・知識・意識が歯肉炎や歯垢付着状況に与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • Analyses in the Factors of Toothbrushing Behavior and Knowledge, and Attitude toward Toothbrushing, and Gingivitis and Plaque Accumulation Status
  • ショウガクセイ ノ ブラッシング ト シンリガクテキ ヨウイン ト ノ カンレンセイ ブラッシング ニ カンスル コウドウ チシキ イシキ ガ シニクエン ヤ シコウ フチャク ジョウキョウ ニ アタエル エイキョウ

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説明

歯科保健教育の受け手側である小学生のブラッシング行動に関連する諸要因を検討し, 学齢期の歯肉炎対策に効果的な教育プログラムの開発に供することを目的とした.福岡市某小学校5年生81名を対象に, 児童のブラッシングに関連する知識, 意識と行動, 心理学的要因および歯肉炎と歯垢付着の状況を調査し, 関連性を検討した.93.3%が1日1回以上ブラッシングを行っていたが, 歯肉に炎症が認められたものは85.1%と多かった.歯肉の炎症度と歯垢付着度との間には相関性がみられた(r=0.515, p=0.0001)が, ともにブラッシング行動との関連性は認められなかった(p>0.05).心理学的要因のセルフエスティームは5つのブラッシング行動関連項目と, 自己管理スキルは8項目と有意な関連性を示した(p<0.05).因子分析の結果2因子が抽出され, 自己管理スキルは両因子に対して高い因子負荷量(0.526, 0.716)を示した.これらのことから, 小学生ではブラッシング行動は定着しているが歯肉炎に関する情報や意識が不足しているために有所見者率が高いこと, ブラッシング行動の背景として心理学的要因, 特に自己管理スキルが関与することが示された.歯肉炎対策には, 良好なブラッシング技術を伴ったブラッシング行動を定着させる歯科保健教育プログラムの開発が必要であり, その際には自己管理スキルの育成に着目する必要があることが示唆された.

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参考文献 (28)*注記

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