中咽頭扁平上皮癌に対する化学放射線同時併用療法の検討

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タイトル別名
  • Concurrent Chemoradiotherapy for Squamous Cell Carcinoma of the Oropharynx
  • チュウイントウ ヘンペイ ジョウヒ ガン ニ タイスル カガク ホウシャセン ドウジ ヘイヨウ リョウホウ ノ ケントウ

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抄録

中咽頭進行癌に対する化学放射線同時併用療法の中間成績を検討した. 対象は前治療のない扁平上皮癌の34例 (男/女, 32例/2) で年齢の中央値は63歳 (47歳-72), stage III/IVが9例/25, T2/3/4が14例/15/5, N0/1/2/3が5例/5/22/2, 根治切除可能/不能が19例/15, 前壁/側壁/後壁/上壁が10例/18/5/1であった. 重複癌は食道が3例, その他が2例であった. 放射線の中央値は66Gy (58Gy-70) で, 化学療法は5-FUの1000mg/m2を4日間の持続点滴とCDDPの60mg/m2の2コース同時併用とし, 28例 (82.3%) で計画通りの治療を行った. grade 3以上の毒性は粘膜炎を61.8%, 嘔吐を14.7%, 白血球減少を20.6%, 血色素減少とクレアチニン上昇を2.9%の順に認めた. 奏効度はCR/PRが7例/22で奏効率は93.5%であった. 2年progression free survival (PFS) は55.1% (stage III/IV ; 77.8%/47.7, N0, 1/N2, 3 ; 70.0%/49.7, T2, 3/T4 ; 63.7%/0, 根治切除可能/不能 ; 88.8%/26.7), 2年生存率は57.1% (stage III/IV ; 71.4%/51.9, N0, 1/N2 ; 70.0%/54.5, T2, 3/T4 ; 60.6%/40.0, 根治切除可能/不能 ; 84.6%/33.3) であった. 再発形式は局所・頸部リンパ節が14例, 他因死が1例で, 再発後の頸部郭清を1例に行ったが原病死した. 生存率およびPFS率は根治切除可能が根治切除不能より, T2+3がT4より有意に良好であった. 化学放射線同時併用療法は中咽頭癌の臓器温存率と生存率を向上し, QOLを維持しながら生存期間を延長する.

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参考文献 (36)*注記

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