[Clinical studies on the alternate binaural loudness balance test].

Bibliographic Information

Other Title
  • Alternate Binaural Loudness Balance (ABLB) Testの臨床的研究
  • Alternate Binaural Loudness Balance ABLB Test ノ リンショウテキ ケンキュウ

Search this article

Description

研究目的<BR>Fowler (1939) の考察によるalternate binaural loudness balance test (ABLB-Test) のrecruitment現象検出法としての価値を検討することが本研究の目的である.<BR>研究方法<BR>(1) 対象: 岩手医大耳鼻科外来を訪れた難聴者の中で純音オージオメトリーの結果1KHz及び4KHzを対象として両耳間に15dB以上の域値差のある感音難聴, 又は伝音難聴を選んだ. 1KHzについては90例, 4KHzについては95例がその対象となった.<BR>(2) 方法: 上記症例について規定通りの方法でABLB-testを施行し, その結果を (i) recr. の有無によって, recr. 陽性, 不完全陽性及び陰性に, (ii) recr. 陽性の場合その型によってasymptotic型及びdelayed型に, (iii) loudness growthの立ち上り勾配について, 急峻なもの, 平行するもの及びなだらかなものの3者にそれぞれ分類した. 同時に自記オージオメトリーを行って, その結果を振幅の大小及びJergerの分類法によって分類した. 上記2者の成績を種々の角度から検討した.<BR>研究成績<BR>1. ABLB法の成績は, 一般的には感音難聴で陽性が, 伝音難聴では陰性が多い.<BR>2. この傾向は1KHzで明瞭であり, 4KHzで不明瞭である.<BR>3. Recr陽性の型は大部分がasymptotic型であった.<BR>4. delayed型は一側伝音難聴で, 両側感音難聴の1KHzにおいて比較的高率であった.<BR>5. 自記オージオメトリーの成績は, ABLB法成績の如何に拘らず感音難聴では振幅縮小及びJerger II型を, 伝音難聴では振幅正常及びJerger I型を優勢に示した.<BR>6. この傾向は特に4KHzで著明であり, 1KHzではABLB法の結果と自記オージオメトリーの結果とにやゝ相関性があらわれていた.<BR>7. 4KHzでasymptotic型のrecrを示した伝音難聴では振幅縮小傾向があった.<BR>8. loudness growthの立ち上り勾配と自記オージオグラムとの関係は1KHzで若干の相関が認められ, 4KHzでは殆んど見られなかった.<BR>以上の成績に種々の観点から考察を加え, 次の結論を得た. 即ち, ABLB法は秀れたrecr検出法であるが, その成績は両耳のloudness growthを比較するものであるから得られた成績を直ちにその耳のloudness特性であると判断してはならないこと, 及びその点に関して現在まで殆んど検討されて居ないので今後はその方向に沿った検討が必要なこと. 以上である.

Journal

  • Nippon Jibiinkoka Gakkai Kaiho

    Nippon Jibiinkoka Gakkai Kaiho 73 (11), 1747-1760, 1970

    Japanese Society of Otorhinolaryngology-Head and neck surgery

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top