内耳内リンパ液の特殊電位環境の成立機構の理解

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  • 第113回日本耳鼻咽喉科学会総会ランチョンセミナー 内耳内リンパ液の特殊電位環境の成立機構の理解
  • ダイ113カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ ランチョンセミナー ナイジ ナイ リンパエキ ノ トクシュ デンイ カンキョウ ノ セイリツ キコウ ノ リカイ

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抄録

内耳蝸牛を満たす内リンパ液は, +80mVの高電位を示す特殊な細胞外液である. この環境は, 蝸牛に特異的であり, 聴覚の鋭敏性に極めて重要である. 高電位は, 機能的に2層の上皮から成る血管条によって維持されると考えられてきた. しかし, その成立メカニズムの詳細は, 長い間, 十分には明らかにされてこなかった. われわれの生理学的手法を用いた研究により, 血管条のそれぞれの上皮層に発現する2種類のカリウムチャネルが, 内リンパ液高電位の成立に必須の役割を果たすことが示された. また, コンピューターシミュレーションにより, 血管条のチャネルや輸送体によって駆動されるK+ 循環が, この組織のK+ 濃度環境を調節し, チャネルを介した高電位の成立に深くかかわっていることが明らかとなった.

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