硬口蓋に扁平上皮癌を発症した基底細胞母斑症候群の1症例

  • 松尾 美央子
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター頭頸科
  • 力丸 文秀
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター頭頸科
  • 檜垣 雄一郎
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター頭頸科
  • 益田 宗幸
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター頭頸科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Squamous Cell Carcinoma of the Hard Palate in a Patient with Basal Cell Nevus Syndrome
  • 症例報告 硬口蓋に扁平上皮癌を発症した基底細胞母斑症候群の1症例
  • ショウレイ ホウコク コウコウガイ ニ ヘンペイ ジョウヒガン オ ハッショウ シタ キテイ サイボウ ボ ハン ショウコウグン ノ 1 ショウレイ

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抄録

基底細胞母斑症候群は, 発達上の奇形と高い発癌性を併せ持つ常染色体優性遺伝性疾患で, 基底細胞癌, 角化嚢胞性歯原性腫瘍などの腫瘍性疾患と, 皮膚や骨格などの先天奇形の合併を特徴とする. この症候群自体が比較的まれであるが, 今回われわれが経験したのは, 皮膚の基底細胞癌ではなく口腔の扁平上皮癌を発症したさらにまれな症例で, 検索し得た範囲では世界で5例目であった. 症例は33歳の女性で, 初診時に硬口蓋扁平上皮癌と基底細胞母斑症候群が認められた. 硬口蓋癌に対する手術の後, 化学放射線治療を行い現在無病生存中である. 基底細胞母斑症候群は低量の紫外線やX線の暴露で腫瘍化が起こりやすいため, 術後の放射線治療は可能な限り限局して行った. 今後は扁平上皮癌の再発のみならず, 基底細胞癌の発症にも注意深い経過観察を行う予定である.

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参考文献 (14)*注記

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