更年期女性のめまい症状に対する検討

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  • Clinical Evaluation of Vertigo in Menopausal women
  • コウネンキ ジョセイ ノメ マイ ショウジョウ ニ タイスル ケントウ

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抄録

更年期症状の一つにめまいがある. 更年期女性がめまい症状を訴える際に更年期障害と関連付けていることがあり, このような症例を神経耳科学的に診断し, 更年期障害としてのめまい症状についての特徴を検討した.<br> 対象はめまいを訴えて当科を受診した40歳から59歳の更年期女性413名である. このうち「更年期障害あり」は73名であり,「更年期障害なし」の340名と比較検討した.<br> 「更年期障害あり」のうちBPPVは41例 (56.2%), メニエール病は13例 (17.8%), めまいを伴う突発性難聴2例, 聴神経腫瘍1例, その他であった. BPPVは「更年期障害なし」の180例 (52.9%) とほぼ同じ割合であった. 一方, メニエール病は「更年期障害なし」の33例 (9.7%) と比較すると「更年期障害あり」の方が統計学的有意に多かった. 更年期障害はエストロゲンの欠乏によるホットフラッシュに環境要因 (職場や家庭でのストレス) や気質要因 (真面目, 几帳面) が影響して発症するとされているが, メニエール病も同様の発症要因が関係している. このため更年期障害のあるときにメニエール病が多いのではないかと推察した. また, 更年期障害のめまいの診察には婦人科と耳鼻咽喉科の連携が必要であると考えた.

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