輪状甲状膜切開による気道確保で救命し得た急性喉頭蓋炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Acute Epiglottitis Causing Rapidly Progressive Airway Stenosis
  • 症例 輪状甲状膜切開による気道確保で救命し得た急性喉頭蓋炎の1例
  • ショウレイ リンジョウ コウジョウマク セッカイ ニ ヨル キドウ カクホ デ キュウメイシエタ キュウセイ コウトウガイエン ノ 1レイ

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抄録

急性喉頭蓋炎は,時に急速な気道狭窄を起こし,気道確保を要する場合があり,その対応によっては窒息死に至る症例も報告されている。今回われわれは,発症後約3時間で窒息状態に至った急性喉頭蓋炎の1例を経験したので報告する。症例は52歳女性。2007年3月15日14時30分頃より軽度の咽頭痛を自覚し,近医で急性喉頭蓋炎と指摘され,同日18時5分に当院を受診した。来院後約5分で呼吸停止をきたした。即座に輪状甲状膜切開による気道確保を行い蘇生し得た。しかし,第3病日より声門下狭窄を生じ,切開孔閉鎖まで約40日を要した。輪状甲状膜切開は急性上気道狭窄には有用であるが,特に上気道炎症性疾患においては術後早期より声門下肉芽を生じる危険があり,適切な時期での気管切開,気管内挿管による気道確保が重要と考えた。特に急性喉頭蓋炎においては,本症例のように急速に悪化することも念頭において初診の段階からの入院を含めた厳重な経過観察および気道確保に対しての的確な判断が必要と考える。

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