他臓器転移・高度リンパ節転移を伴う進行食道癌への対応

  • 澤田 亮一
    国立がん研究センター中央病院 消化管内科
  • 加藤 健
    国立がん研究センター中央病院 消化管内科

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment for Advanced Esophageal Cancer with Metastasis to Distant Organs and/or Lymph Nodes
  • タ ゾウキ テンイ ・ コウド リンパセツ テンイ オ トモナウ シンコウ ショクドウガン エ ノ タイオウ

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抄録

食道癌は男性に多い疾患であり,占居部位は胸部中部食道に多い。組織型は扁平上皮癌が圧倒的に多く,危険因子としては喫煙,飲酒があげられる。予後因子としてはTNM stage, 10%以上の体重減少,嚥下障害,腫瘍の大きさ,年齢,リンパ管浸潤が独立した因子とされている。また,PSは予後因子として一般的であり,また予測因子とも考えられている。他臓器転移・高度リンパ節転移を伴う進行癌に対しては日本においてはCDDP+5-FU (FP) 療法 (80/800 mg/m2) を3週ごとに投与するスケジュールが標準治療である。腫瘍による食道狭窄が原因で経口摂取困難となった患者,あるいは疼痛などの有症状患者に対しては,症状緩和目的で,原発巣や疼痛部位に限局した放射線治療や化学放射線療法が施行されることもある。分子標的薬に関しては現在のところ有効性は示されていない。JCOGでは現在JCOG0807「切除不能または再発食道癌に対するDocetaxel,Cisplatin,5-FU併用療法の臨床試験第I/II相試験」の登録が終了しており結果が期待されるところである。

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参考文献 (19)*注記

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