声門下喉頭膿瘍の2症例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Subglottic Laryngeal Abscess
  • 症例 声門下喉頭膿瘍の2症例
  • ショウレイ セイモン カ コウトウ ノウヨウ ノ 2 ショウレイ

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抄録

気管内挿管の数カ月後に,声門下を主座とする喉頭膿瘍を発症した2症例を経験した。症例1は41歳女性で,火災による気道熱傷に対し気管内挿管を施行され,退院の2カ月後に呼吸苦と嚥下痛を主訴に当科を受診した。両声帯固定と声門下の膿瘍を認めた。気管切開にて気道確保を行った後に喉頭微細手術を行ったが,膿瘍の改善がみられなかったため,再度手術を行った。膿瘍は声門下後方に存在したため,気管切開孔から,副鼻腔内視鏡手術用の硬性内視鏡を用いて視野を確保し鼓膜切開刀で切開排膿術を行った。症例2は73歳男性で,全身麻酔下に胃切除術を施行された後,喉頭肉芽種を発症し加療を行っていた。術後4カ月にて夜間喘鳴と咳嗽が出現し,喉頭内視鏡による観察で声門下後壁に膨隆を認め,喉頭微細手術にて切開排膿術を施行した。<br>喉頭膿瘍は近年ではまれな疾患であり,免疫能低下例や気管内挿管との関連が示唆されている。症状や他覚的炎症所見に乏しく,緩徐に進行する例もあるため,注意が必要である。

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