加齢による音声障害に対する音声治療の効果

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タイトル別名
  • Effectiveness of Voice Therapy for Presbyphonia
  • カレイ ニ ヨル オンセイ ショウガイ ニ タイスル オンセイ チリョウ ノ コウカ

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抄録

加齢による音声障害に対して発声機能拡張訓練 (vocal function exercise,以下VFE) 簡易法を施行したのでその結果につき報告する。対象はVFE簡易法を4~8週施行した60~83歳の男性8例,女性2例 (VFE群) 。また63~74歳の男性5例を対照群とし,VFE群との比較検討を行った。VFE群では,練習前には中等度以上の声門間隙が4例に見られたが,練習後は全例が小さな間隙もしくは間隙が消失した。また練習後には聴覚印象評価のG・B,MPT,PPQ,APQ,VHIが有意に改善,F0は有意に上昇,声域下限の下降・声域の拡大も有意であった。声域上限も上昇傾向であった。これらの結果から,加齢による音声障害に対してVFE簡易法は有用な発声練習であることが示唆された。さらにVFE簡易法後に音声が著明改善した8例 (改善群) と,改善の乏しかった2例 (非改善群) の差異を検討した結果,非改善群は改善群と比べて練習前のMPTが短縮,声域下限が上昇しており声域が狭く,肺活量が少なかった。したがってVFE簡易法は音声障害の軽度な例が良い適応であると思われた。

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