高齢者に対する外科的治療~呼吸器 (肺癌)

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical Treatment for Non-Small Cell Lung Cancer in Elderly Patients
  • コウレイシャ ニ タイスル ゲカテキ チリョウ : コキュウキ(ハイガン)

この論文をさがす

抄録

非小細胞肺癌罹患率は加齢とともに直線的に増加していくことが知られている。本邦では,今後も高齢者人口の増加とともに高齢者の種々の疾患に対する外科的治療の機会がさらに増加することが予想され,安全かつ合理的な手術が今後の肺癌治療成績の向上においても重要な位置を占めると思われる。<br>肺癌の外科治療に際し,高齢者においては併存疾患や心肺機能低下などにより,より注意深い周術期管理が必要となる。ただし,外科的治療の適応は,年齢によっては規定されず,performance status (PS) が2以下,かつ,臨床病期I期症例であることが望ましいと考えられる。また,術後の呼吸機能温存を考慮し,術式は楔状切除や区域切除などの縮小手術を考慮すべきである。<br>次に肺癌の術式だが,近年胸腔鏡下手術も早期肺癌症例に対し広く施行されるようになり,より低侵襲かつ安全な手術手法が適用されている。<br>このように,高齢者における非小細胞肺癌症例に対する外科的治療は,長期予後が十分に期待できるため,術前併存疾患,加齢による臓器機能低下,手術に伴う合併症や手術自体の障害によるquality of life (QOL) 低下等の問題点を十分に考慮した上で,各症例に適した治療方針を選択すべきと考えられる。

収録刊行物

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ