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- 武田 憲昭
- 徳島大学医学部耳鼻咽喉科
書誌事項
- タイトル別名
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- 第117回日本耳鼻咽喉科学会総会シンポジウム めまいのリハビリテーション 耳石置換法と平衡訓練
- ダイ117カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ シンポジウム メマイ ノ リハビリテーション ジセキ チカンホウ ト ヘイコウ クンレン
- 耳石置換法と平衡訓練
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説明
<p> 1. BPPVに対する耳石置換法<br> 後半規管型 BPPV には耳石置換法 (Epley 法) が有効で, 頭位めまいと頭位眼振の消失を促進することから, 強く推奨される. しかし, 自然治癒が期待できる疾患のため, 嘔気のある患者や頸椎や腰部に異常のある患者に無理に行う必要はない. 外側半規管型 BPPV・半規管結石症にも耳石置換法 (Gufoni 法) が有効で, 頭位めまいと頭位眼振の消失を促進することから推奨されるが, 効果は限定的である. 無治療でも早期に自然治癒が期待できるため, 無理に行う必要はない. 外側半規管型 BPPV・クプラ結石症には標準化された耳石置換法はないが, 無治療でも早期に自然治癒が期待できる.<br> 2. 前庭障害に対する平衡訓練<br> 平衡訓練は, 前庭障害患者の自覚的な平衡障害を改善するとの evidence がある. しかし, 重心動揺などの他覚所見の改善効果は不十分である. 平衡訓練は標準化されていないため, 今後, 標準化された平衡訓練の evidence を得る必要がある. 前庭障害患者に対する Wii Fit を用いた平衡訓練が, 通常の平衡訓練と比較して有効であるとの evidence はない. 仮想現実を用いて感覚ミスマッチ刺激を反復して与える平衡訓練により, 前庭障害患者の姿勢が安定する可能性がある. しかし, 感覚ミスマッチ刺激により転倒のリスクがある. 感覚代行を用いた平衡訓練が, 前庭障害患者の姿勢や歩行を改善する可能性がある. 今後, 臨床研究を行い, evidence を得る必要がある.</p>
収録刊行物
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- 日本耳鼻咽喉科学会会報
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日本耳鼻咽喉科学会会報 120 (1), 9-14, 2017
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679991461504
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- NII論文ID
- 130005330280
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- NII書誌ID
- AN00191551
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- ISSN
- 18830854
- 00306622
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- NDL書誌ID
- 027958618
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可