う歯から生じた頚部ガス壊その1症例

  • 木村 美和子
    東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科 竹田綜合病院耳鼻咽喉科
  • 萩澤 美帆
    東京都立神経病院神経耳科
  • 中嶋 正人
    竹田綜合病院耳鼻咽喉科
  • 二藤 隆春
    東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科
  • 田山 二朗
    東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科 国立国際医療センター耳鼻咽喉科・気管食道科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Gas Gangrene in the Neck
  • 症例報告 齲歯から生じた頸部ガス壊疽の1症例
  • ショウレイホウコク ウシ カラ ショウジタ ケイブ ガス エソ ノ 1 ショウレイ

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抄録

ガス壊疽はガス産生を伴う壊疽性の軟部組織感染症であり, クロストリジウム属に起因するものと非クロストリジウム属に起因するものとに大別される。従来, 頭頸部領域には稀とされてきたが, 最近報告例が増加し, 強い病原性を呈する可能性があり非常に注意を要する。今回われわれは齲歯が原因と予想される頸部から縦隔まで進展した非クロストリジウム属に起因する頸部ガス壊疽の症例を経験した。本症例は皮下に握雪感を伴い, ガス産生菌によって引き起こされた, 急速に進行する軟部組織の壊死性感染症であり, ガス壊疽と診断した。造影CTにて両側頸部, 縦隔に著明なガス像と膿瘍形成を認め, 術前の病変の進展範囲の判定に有用であった。受診同日に局所麻酔下に気管切開を施行し, 気道確保後, 全身麻酔下に頸部膿瘍切開排膿術, デブリードメント, 縦隔ドレナージを施行し, 術後も呼吸器科と連携して約2週間十分に抗菌薬投与し, 救命しえた。ガス壊疽は症状の進行が非常に急速であり, 炎症の波及の範囲を適切に判断した迅速なドレナージと抗菌薬投与が重要であると考えた。

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参考文献 (10)*注記

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