頭蓋底外科の現状 頭蓋底外科領域における内視鏡下経鼻手術の適応と今後の展望

  • 中川 隆之
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科

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タイトル別名
  • 第118回日本耳鼻咽喉科学会総会学術セミナー 頭蓋底外科の現状 頭蓋底外科領域における内視鏡下経鼻手術の適応と今後の展望
  • ダイ118カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ ガクジュツ セミナー ズガイテイ ゲカ ノ ゲンジョウ ズガイテイ ゲカ リョウイキ ニ オケル ナイシキョウ カケイ ビ シュジュツ ノ テキオウ ト コンゴ ノ テンボウ

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抄録

<p> 内視鏡下鼻副鼻腔手術の発展に伴い, 炎症性疾患の制御から, 鼻副鼻腔腫瘍手術へとその応用範囲は拡大しつつある. 本稿では, 内視鏡下鼻副鼻腔手術の頭蓋底領域への適応拡大に焦点を絞り, 近年京都大学で取り組んでいる内視鏡下経鼻・経頭蓋同時併用手術の現況について, 内視鏡下経上顎洞アプローチによる側頭下窩手術の手技, 適応について, 内視鏡下経鼻腔・経篩骨洞による頭蓋底手術の手技, 適応について述べる. 内視鏡下経上顎洞アプローチは, 上顎洞後壁から翼口蓋窩を経て, 側頭下窩に至る手術アプローチであり, 三叉神経鞘腫, 血管線維腫, 脊索腫など幅広い病変の手術に応用可能である. 内視鏡下経上顎洞アプローチでの解剖学的な限界は, 内頸動脈の位置と考えられており, 内頸動脈の位置を推定するためのメルクマールを把握することが重要となる. 嗅神経芽細胞腫などに対する前頭蓋底手術は, 内視鏡下経鼻アプローチが最も進んだ領域であり, 嗅神経芽細胞腫治療においては内外で有用性を示す所見が得られている. 今後, 鼻腔・篩骨洞悪性腫瘍に対する応用の標準化を見据えた臨床研究の展開が望まれる.</p>

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