アルゴンプラズマ凝固法で治療した食道癌術後残頸部食道癌の1例

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タイトル別名
  • Argon Plasma Coagulation Treatment for Cervical Esophageal Squamous Cell Carcinoma after Operation for Thoracic Esophageal Squamous Cell Carcinoma: A Case Report
  • 症例 アルゴンプラズマ凝固法で治療した食道癌術後残頸部食道癌の1例
  • ショウレイ アルゴンプラズマ ギョウコホウ デ チリョウ シタ ショクドウ ガン ジュツゴザンケイブ ショクドウ ガン ノ 1レイ

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抄録

食道癌術後残頸部食道は,異時性食道癌の発生リスクが高い。今回われわれは,内視鏡治療を施行した食道癌術後残頸部食道癌の1例を経験した。症例は71歳,男性。術前診断cT1b N0の食道癌に対し,右開胸開腹胸部食道全摘3領域リンパ節郭清胸壁前経路胃管再建術を施行した。病理組織結果は,moderately differentiated squamous cell carcinoma,pT1a-LPM,ly0,v0,pN0であった。術後4年8カ月の上部消化管内視鏡検査で,食道入口部から頸部食道胃管吻合部におよぶ4/5周性の0-IIb病変を認め,生検にてsquamous cell carcinomaと診断された。頸部食道の広範な病変であったため,アルゴンプラズマ凝固法 (APC) を施行した。5年間で計8回のAPCを施行し,良好な局所制御を得た。頸部食道は生理的狭窄部であり内視鏡観察が難しく,進行癌で発見された場合の手術や化学放射線療法は侵襲の大きな治療となる。食道癌術後残頸部食道の観察は,field cancerizationの観点から,常に異時性食道癌を念頭におく必要がある。食道癌術後残頸部食道癌は,早期診断と適切な内視鏡治療の選択が重要である。

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