胸鎖乳突筋弁を用いて閉鎖した気管食道瘻の1例

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タイトル別名
  • Closure of Tracheoesophageal Fistula Using Sternocleidomastoid Muscle Flap: A Case Report
  • 症例 胸鎖乳突筋弁を用いて閉鎖した気管食道瘻の1例
  • ショウレイ キョウ サニュウトツキンベン オ モチイテ ヘイサ シタ キカン ショクドウロウ ノ 1レイ

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抄録

<p>気管食道瘻は稀であるが気管切開術後の合併症のひとつであり,その外科的治療としてさまざまな術式が報告されてきた。今回われわれは,気管切開術後に生じた気管食道瘻に対し,胸鎖乳突筋弁を用いて閉鎖した1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。症例は68歳女性。5カ月前に他院で心臓手術後,抜管困難となり気管切開術が施行された。嚥下障害により胃瘻管理となった後も嚥下性肺炎を繰り返すため,当科を紹介され受診した。初診時所見では,声門下肉芽と両側声帯外転障害を認めるものの発声は可能であった。その後嚥下造影検査および気管内視鏡検査を施行したところ,気管食道瘻が認められた。手術は,瘻孔の食道側と気管膜様部側をそれぞれ直接縫合閉鎖した上で,胸鎖乳突筋弁を閉鎖部に充填・補強した。術後11日目より嚥下リハビリを開始し,術後20日目に退院,その後も瘻孔の再形成なく,胃瘻を抜去,常食が摂取可能となっている。気管カニューレのカフによる圧迫やカニューレ交換時の機械的刺激が瘻孔形成の原因と考えられた。胸鎖乳突筋弁を用いた低侵襲な術式で良好な結果を得た。</p>

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