動脈硬化の新しい治療  遺伝子治療の可能性

  • 森下 竜一
    大阪大学大学院医学系研究科遺伝子治療学 大阪大学大学院医学系研究科加齢医学
  • 荻原 俊男
    大阪大学大学院医学系研究科加齢医学

書誌事項

タイトル別名
  • Novel Therapeutics in Cardiovascular Disease
  • ドウミャク コウカ ノ アタラシイ チリョウ イデンシ チリョウ ノ カノウセイ
  • 遺伝子治療の可能性

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抄録

老年者の治療法選択における特徴は, 手術などの侵襲的治療がとりにくいことである. また, 若年者に比べQOLを重視した視点での治療法選択も重要である. たとえば, 閉塞性動脈硬化症による下肢切断は著しいQOL悪化をもたらすが, 手術不能例においては現在治療法がない. 欧米を中心に血管新生因子であるVEGF遺伝子の筋肉内投与により閉塞性動脈硬化症の治療が可能であることが明らかにされ, 我々もまた国内で発見されたHGF (肝細胞増殖因子) による血管新生と治療の可能性を明らかにしている. 血管新生を利用した遺伝子治療は, 心筋梗塞や脳梗塞の治療として有効である可能性も報告されており, 外科的治療の対象となり得ない老年者に対する低侵襲の治療法として期待される. 本総説では, 老年者に対する血管新生を利用した遺伝子治療の可能性について述べる.

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