核内受容体研究の最近の進歩

  • 井上 聡
    東京大学大学院医学系研究科生殖・発達・加齢医学専攻加齢医学講座老化制御学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Nuclear Receptors-ligands, Cofactors and Target Genes
  • ロウネン イガク ノ テンボウ カク ナイ ジュヨウタイ ケンキュウ ノ サイキン ノ シンポ

この論文をさがす

抄録

ステロイドホルモン, 甲状腺ホルモン, レチノイン酸, ビタミンD等の脂溶性低分子リガンドの受容体は, 核内受容体スーパーファミリーに属し, 共通の祖先遺伝子から進化を遂げたものと考えられている. この情報伝達のモデルは, リガンドが細胞内に入り, 核内にて受容体と結合し, 標的遺伝子の転写を調節し, その産物である蛋白質がリガンドの作用を発揮するというものである. これら受容体のリガンドとしては, 老年医学において, 老化の指標や老年病の病因や治療薬としても関連が深い, エストロゲン, グルココルチコイドをはじめとする脂溶性ビタミン/ホルモン/生理活性物質等が含まれている. 一方, リガンドが不明や未同定の核内受容体-オーファンレセプターからは新しいホルモンの発見や創薬への応用が期待できる. さらに共役因子, 応答遺伝子, 遺伝子異常症, 遺伝子改変動物等の研究が進展しており, 最近の核内受容体の研究の進歩は老年医学の発展に大いに貢献するものと考えられる

収録刊行物

参考文献 (28)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ