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- 堀田 晴美
- 東京都老人総合研究所運動・自律機能相関研究グループ
書誌事項
- タイトル別名
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- Bases of the activation of cerebral circulation
- ロウネン イガク ノ テンボウ ノウ ジュンカン フカツ ノ キソ
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説明
脳機能に重要な脳循環調節に関し, autoregulation や酸素・二酸化炭素などの血液ガスの影響については古くから知られている. また, 最近では神経活動に伴う脳局所での素早い血管拡張反応が, 脳機能解析手段に用いられている. 一方, 近年脳に特有の内因性神経による脳循環調節機構が次第に明らかにされつつある. 我々は, 前脳基底部に起始する内因性コリン作動性血管拡張神経に着目して研究を行っている. この内因性神経は, 老年者で血流低下の見られる海馬や大脳新皮質において, 脳実質内微小血管の拡張によって血流を効果的に促進する. この脳実質内微小血管の拡張は, 脳代謝の変化を伴わずにおこり, 脳虚血後の遅発性神経細胞死の保護に役立つ. この内因性血管拡張系を賦活する手段として, 歩行などの運動や体性感覚刺激, 脳内電気刺激が挙げられる. 本稿では, 老年者の脳循環賦活法の確立のための基礎となる脳循環調節の仕組みと老化の影響, さらに我々が取り組んでいるコリン作動性血管拡張系による脳循環賦活について, 最近の知見を紹介する.
収録刊行物
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- 日本老年医学会雑誌
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日本老年医学会雑誌 42 (3), 271-278, 2005
一般社団法人 日本老年医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680001007488
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- NII論文ID
- 10016623982
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- NII書誌ID
- AN00199010
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- NDL書誌ID
- 7395748
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- ISSN
- 03009173
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- PubMed
- 15981645
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可