医学部学生の老年医学についての意識調査: 愛媛大学医学部学生に対するアンケートより

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タイトル別名
  • Medical students' understanding of geriatric medicine
  • イガクブ ガクセイ ノ ロウネン イガク ニ ツイテ ノ イシキ チョウサ エヒメ ダイガク イガクブ ガクセイ ニ タイスル アンケート ヨリ

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抄録

高齢化社会を迎えた我が国では, 老年医学の専門家を育成することが重要な課題になっている. 愛媛大学医学部では, 平成9年4月に老年医学講座が開講された. 我々は, 愛媛大学医学部学生の老年医学に対する意識を明らかにするため今回の検討を行った. 老年医学に関するアンケート調査を, 内科講義と老年医学講義が行われている4年生と既に内科講義と老年医学講義が終了している6年生に行った. アンケート結果から, 愛媛大学医学部学生では全国平均よりも老年医学への関心が高いことがわかった. 高齢者の疾患を系統別にみた場合, 臨床的に重要と思われる系統としては脳神経系, 循環器系, 精神科・神経科および呼吸器系などを重要と考えている学生が多かった. さらに60%の愛媛大学医学部学生がすべての医科系大学に老年医学講座の設置が必要であると感じていることがわかり, 全国調査の結果よりも高い比率を示した. 教科書についてのアンケートでは, 90%の学生が内科学の, 約半数 (42%) の学生が診断学の教科書を持っていたのに対し, 老年医学の教科書を持っていた学生はまったくおらず, その理由として「どれがよいかわからない」という意見が圧倒的であった. 今回のアンケート結果から今後学生の老年医学への意識をさらに高め, 老年医学教育を発展させるためには老年医学自体の独自性をもった教科書が学生には必要であり, 教官の推薦や理解しやすい教科書が求められていると思われた.

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