高齢者市中肺炎の重症度分類と予後予測

  • 樋口 多恵子
    新潟県立柿崎病院薬剤部
  • 太田 求磨
    新潟大学大学院医歯学総合研究科 臨床感染制御学講座(第二内科)
  • 田邊 嘉也
    新潟大学大学院医歯学総合研究科 臨床感染制御学講座(第二内科)
  • 鈴木 栄一
    新潟大学医歯学総合病院総合診療部
  • 下条 文武
    新潟大学大学院医歯学総合研究科 臨床感染制御学講座(第二内科)

書誌事項

タイトル別名
  • Severity classification and prognosis in hospitalized elderly patients with community-acquired pneumonia
  • コウレイシャ シチュウ ハイエン ノ ジュウショウド ブンルイ ト ヨゴ ヨソク

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説明

目的:高齢者市中肺炎における日本呼吸器学会成人市中肺炎診療ガイドラインの重症度判定(A-DROP)及びPORTコホート研究による予測基準(PSI)の予後予測精度を比較検討した.方法:過去2年間に高齢者市中肺炎で当院に入院した患者(111例·男57例·女54例)を対象に重症度分類,初期治療に使用した抗菌薬,治療経過について検討を行った.結果:平均年齢82.0±7.4歳.高齢前期15%,高齢後期50%,超高齢35%であった.A-DROPスコア0·1·2·3·4·5の各死亡率(%)は0例/3例(0%)·0/23(0)·1/46(2.2)·5/29(17.2)·1/5(20.0)·2/5(40.0),PSIクラスI·II·III·IV·Vのそれは0/0(0)·0/8(0)·0/31(0)·0/47(0)·9/25(36.0)であった.結論:PSIは高齢者市中肺炎患者,特に高齢後期以上の患者においても予後予測性に優れた方法である.一方,A-DROPでは高齢者市中肺炎患者の重症度判定には不十分である可能性がある.A-DROPで重症度を判定する場合は,検査所見や身体所見のみに頼ることなく,うっ血性心不全,脳血管障害,肝障害,腎障害,悪性腫瘍等の基礎疾患を考慮した判定が適当である.<br>

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参考文献 (20)*注記

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