書誌事項
- タイトル別名
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- Immunoblastic Lymphadenopathy (IBL)-Like T Cell Lymphoma Associated with Granulocytopenia and Autoimmune Hemolytic Anemia
抄録
顆粒球減少症にて発症し,自己免疫性溶血性貧血を合併したIBL様T細胞リンパ腫の1例を経験したので報告する。症例は65歳女性。1990年5月より発熱,顆粒球減少を認め入院となった。頸部,腋窩,鼠径部にリンパ節腫大を認めた。RBC 369×106/μl, Hb 11.5 g/dl, WBC 1,530/μl(桿状核球4%, 分葉核球4%, リンパ球43%, 単球43%, 好酸球2%, 好塩基球4%)と顆粒球減少を認め,クームス試験(直接,間接),抗赤血球抗E抗体は陽性であった。頸部リンパ節生検にてIBL様T細胞リンパ腫と診断した。骨髄像は桿状核球を認めるが,分葉核球をまったく認めないため抗白血球抗体の存在が示唆された。入院後も顆粒球減少症が持続するためG-CSF 100 μg/日を4日連続皮下注した。白血球は20,900/μl(前骨髄球5%, 骨髄球4%, 後骨髄球3%, 桿状核球19%, 分葉核球52%)に上昇したが,急激に貧血が進行(Hb 4.9 g/dl)したため,適合する洗浄赤血球を輸血しながらVEPA療法を施行し,リンパ節の縮小とともに血液学的改善を認めた。
収録刊行物
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- 臨床血液
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臨床血液 34 (2), 165-170, 1993
一般社団法人 日本血液学会