Natural interferon-α投与中,肺炎を合併しM蛋白が消失した多発性骨髄腫の1例

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タイトル別名
  • Rapid Disappearance of M-protein in Multiple Myeloma Complicated by Pneumonia during Treatment with HLBI

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抄録

患者は64歳の女性,難治性の骨髄腫(IgG-λ型)の治療目的にて入院。合併症の高度の肝硬変のため化学療法は施行せず,インターフェロン(IFN; HLBI)単独治療(600万単位,28日連日投与)を行った。途中,胸水貯留を伴う肺炎を合併したが抗生剤により完治し,25日の休薬期をおいて2クールのIFN療法を終了した。M蛋白は消失し,IgA, Mは正常域にまで増加し,完全寛解を得た。本症例におけるIFNによるM蛋白消失に要した期間は過去の報告例より短く,肺炎の合併がIFNの治療効果を高めた可能性が示唆された。そこで7カ月後の再発時に,OK-432を肺炎の免疫賦活の1つのモデルとして2クールのIFN療法の休薬期に4週間投与し,NK活性とLAK活性を測定した。NK活性はIFNにより抑制されたが,OK-432により回復し,これはその後のIFN投与によってもほとんど抑制されなかった。LAK活性はIFN投与にてもOK-432投与にても増加した。本例は免疫療法を併用したIFN療法が骨髄腫治療に効果を有する可能性を示唆する症例と考え報告した。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 33 (12), 1818-1823, 1992

    一般社団法人 日本血液学会

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