抗リン脂質抗体症候群の病型とリン脂質依存性抗β<sub>2</sub>-glycoprotein I抗体

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タイトル別名
  • Clinical Subsets and Phospholipid-dependent Anti-β<sub>2</sub>-glycoprotein I Antibodies in Antiphospholipid Syndrome
  • 抗リン脂質抗体症候群の病型とリン脂質依存性抗β2-glycoprotein1抗体
  • コウ リン シシツ コウタイ ショウコウグン ノ ビョウケイ ト リン シシツ

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抄録

抗リン脂質抗体症候群(APS)の病型分類におけるIgGリン脂質依存性抗β2-glycoprotein I (β2-GPI)抗体の臨床的意義を明らかにすることを目的とした。APS 46例(原発性APS 14, SLEを基礎疾患とする二次性APS 32)を対象とした。IgGリン脂質依存性抗β2-GPI抗体をELISAで測定した。原発性APSにおける頬部紅斑などの頻度は,二次性APSに比べ,有意に低率であった。しかし,IgG aCL持続陽性は,原発性APSで86%と有意に多かった。IgGリン脂質依存性抗β2-GPI抗体は,原発性APSで,全例に検出された。その抗体価は,原発性APSで67.2±4.5 u/mlであった。これは,二次性APSにおける22.8±38.7 u/mlに比べ,有意に高かった。本抗体高値陽性の原発性APSでは,IgG aCL抗体価が高く,血小板減少症などAPSに伴う臨床所見がみられた。以上の成績から,IgGリン脂質依存性抗β2-GPI抗体は,APSの病型分類に有用であることが考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 36 (10), 1170-1174, 1995

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (20)*注記

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