書誌事項
- タイトル別名
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- Aggressive Myeloma with Subcutaneous Tumor and Pericardial Involvement
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説明
症例は67歳,男性。初診時より脾腫,LDHの著増を認め,細胞形態も未分化なリンパ芽球様で,激症型骨髄腫の特徴を有していた。BJ-κ型の骨髄腫stage IIIBの診断のもと,VAD療法,MP療法,IFN療法等により一過性に寛解を認めたが多発性皮下腫瘤,心膜液貯留を認め治療に抵抗性を示し死亡した。本例の皮下腫瘤は,多発性転移性に発生した形質細胞腫と考えられ,また本例のように生前に骨髄腫細胞の心膜への浸潤を認めた症例は極めてまれである。心膜液中のIL-6が異常高値(16,382 pg/ml)を示し,心膜液中に浸潤していた骨髄腫細胞がIL-6に反応し増殖することから,IL-6が骨髄腫細胞の増殖に密接に関与していた可能性が考えられた。
収録刊行物
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- 臨床血液
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臨床血液 35 (3), 291-295, 1994
一般社団法人 日本血液学会